七夕は結婚記念日だったりする。結婚して11年か・・・
結婚するまでの交際期間も11年なので
22年の付き合いなんだけどね
彼女と知り合ったのは高等部。二人とも理系だったから授業はほとんど一緒だった。
彼女はいつも成績トップで貼り出されてた超天才児だったね。
でも何気にオイラも10位はキープしてたからそれほどバカだったわけじゃない。
とはいえオイラは見た目はコドモ、頭脳もコドモ
いつも騒いで怒られてるコドモっぽいヤツだったので
「うるせーガキだなー」としか思ってなかったらしい。
今でもそう思ってるみたいだけど・・・
で、二人ともエスカレーター式に大学の電子工学科に進学する。
電子工学科は男女比40:2ぐらいだから
女子だけ別れて行動するにはあまりに少数派
男子グループに女子が混ざって行動するようになってきて
このころから二人の付き合いが始まった。
ところがオイラは当時、中学から始めたギターに夢中で
学校が終わったら親にもナイショでこっそりギターの専門学校に通って
夜中にバイトして学費を作って、昼は学校で寝てる状態だった。
さすがにそんな生活がまともに続くはずもなく
2年生にはなんとかなれたが留年し
そのまま大学をやめてしまう。
オイラは家を出て20歳から一人暮らしを始める。
腰までの長さの長髪、そんな風貌だったから
肉体労働しか仕事がなかったので
昼は水道工事屋や運送屋のトラックドライバーをしながら生活費を稼ぎ
夜はバンド活動をしてた。
バンド活動はギャラより出費のほうがはるかに多かったから
凄い貧乏だった。白米にキャベツ乗せて食いつないでた。
体重は47kgまで落ちたね。
その間も真面目に学校に通う彼女は
学校が終わるとバンド練習に行く前のオイラに会いに来てた。
貧乏で電話線も引いてなかったから
電話で連絡できない。当時は携帯なんかもなかったしね。
オイラの部屋は横浜線の線路沿いだったから
ベランダに黒いバスタオルを出してる時は在宅
出してないときは不在のサインにしてた。
彼女は電車の窓からオイラのベランダを確認して帰る生活だったね。
一回雪の降る寒い日にオイラが黒いバスタオルを出しっ放しで出かけちゃって
帰ってきたら頭の上に10cmぐらい雪が積もったまま待ってる彼女が居たことがあって
あの時は怒られたなぁ・・・
2年ほどすると彼女は大学を卒業し就職
千葉の女子寮に入り
ちょっとした遠距離恋愛になったんだよね。
彼女はちゃんと就職したけどオイラは相変わらず
昼はバイト、夜はバンド。でもちょうど時代はバブルにはいって
意外にも生活は羽振りが良かった。人生を完全にナメてた時期だね。
オイラは一生好きなことやって生きてやるぜ!
なんて甘いこと考えてた。
バンドもマイナーなインディーメタルシーンながらも軌道に乗ってきて
名前も知られるようになってきた。
あの頃はホントに楽しかった。
25歳ぐらいから彼女が寮を出て一人暮らしを始めたので
オイラもそこに転がり込んで同棲を始めた。
でもバブルが弾けて現実の厳しさを思い知るんだよね・・・
経済が悪くなると仕事は減って金も入らなくなるし
バンドの人気もなくなっていった。
そもそもバンドブーム=バブルだったんだよね。
彼女に食わせてもらってるヒモみたいなモンだった。
でも年齢的にも結婚を意識しだす頃
こんなんじゃ結婚なんか出来ないよな・・・
さすがに家事は全部オイラがやってたけどね
料理が異常に上手くなったのもこの時期だ。
この頃の名残で今でも土日祝日はオイラが料理を作ってるんだよな。
で、悪いことって続くもんで仕事で怪我をして
左手の人差し指の先端を切り落としちゃった。
スグ病院に行ったから繋がったけど
ついにギターも弾けなくなっちゃった。
これじゃさすがにこのまま付き合い続けられないよ・・・
さすがに更生しようと思い独学でコンピューターの勉強を始めた。
UNIXというサーバー専用OSの勉強。
バイトの空き時間はいつも技術書を読んでたなぁ。
元々理系だから案外簡単にマスターした。
なんの実績も職歴もないオイラは就職なんか出来っこないから
自分で個人事務所を作りWebデザインオフィスを始めた。
オイラには時代を読むチカラがあったのか
運が良かったのかはわからないが
ITバブルという時代がやってくる。
仕事がじゃんじゃん入ってきて羽振りが良くなった。
オイラと同じように個人事務所でWebデザインをしてた連中とつるんで株式会社を作った。
会社はみるみる大きくなり西新宿の高層ビル最上階にオフィスを構える。
まあかつてのライブドアみたいな状態だね。
ようやくオイラと彼女は結婚することが出来た。
でもITバブルも去ってしまうんだよね・・・
オイラの会社はバブルが続いていた韓国の企業に売却して延命したものの
最終的には倒産してしまう。
で、またまた半年ほど無職になってしまう
その間も彼女が稼いでくれた。
でもその頃のオイラはそれなりに人脈も築けていたので
外資系IT企業に就職することが出来た。
当時の社長はオイラのメチャクチャな履歴書を見て大いに気に入ってくれた。
入社してみたらオイラみたいなヤツが3人も居た。
ははーん。納得。
この会社も外資の親会社が倒産しちゃって
またか・・・
と思ったら逆にコレがチャンスで
社長交代とかはあったものの
国内大手から資本が入り上場企業になっちゃった。
うっかりちゃっかり普通のサラリーマン社会に潜り込めたオイラ
セガレも生まれて7歳になって今の会社も10年以上勤めて
普通の生活も幸せなもんだなーと思い今の生活を過ごしてるよ。
手の怪我も完全に治り、またヴァイオリンもギターも弾けるようになった。
でも今でも彼女は毎晩遅くまで踊りの練習に出掛けるオイラが
道を踏み外すんじゃないかと心配なんだそうな。
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2 日前